やっぱり「福祉電話」は必要です

長岡京市高齢介護課は高齢者の緊急通報システムについて民生委員さんにアンケートを行いました。長岡京市安心ホットライン、民生委員アンケートこの結果を見ると固定電話を持たない方がやはり一定数いらっしゃいます。固定電話が無い世帯は緊急時にこの緊急通報システムも利用できないのです。
固定電話の設置ができない世帯は経済的にも厳しくゆとりも無いことが想像できます。このような方々のいのちを守るために自治体が固定電話を貸し出す「福祉電話」は必要です。
この結果を踏まえ、きょうと福祉倶楽部は下記の内容で市議会各会派にお願いの文書をお配りしました。
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2015年8月18日
長岡京市市議会     様

〒617-0824 京都府長岡京市天神4丁目7-12

有限会社おとくに福祉研究所
きょうと福祉倶楽部
有田 和生

 拝啓、納涼の候、皆様ますますご隆昌のこととお喜び申し上げます。
 わたしどもきょうと福祉倶楽部は高齢者と障がい者の人権を守るという理念で創設し、介護保険、障がい者支援事業を営んでおります。そのような考え方にたつ故、単に介護を提供するだけでは無く、政策提言も含め、市民の安全を守ることに尽力して下さる議員のみなさまに呼びかけることも心掛けております。
先般長岡京市は民生委員の皆さんを対象に「シルバーホットライン」に関するアンケート調査を行いました。
 この調査はわたしどもが常日頃懸念している独り暮らし高齢者の安全問題にも関わるものです。
 早速わたしどももその資料を入手し問題点を検討してきました。
 この調査によると固定電話を持たない高齢者は長岡京市に少なからず存在します。そしてその方々は「シルバーホットライン」が必要であっても設置のしようが無いという事です。

調査の数字を見ると
民生委員さんが把握をする独り暮らしの高齢者のうち8人が固定電話を持っていないことが読み取れます。この数字は民生委員さんが把握をなさっている数字であり実数はおそらくもっと多くいらっしゃることと思います。
 ここで明らかになった固定電話を所持しない独り暮らしの方は自身で身体の危険を感じたときにホットラインが設置されていないのですから自ら連絡をしていのちの危険を回避できない可能性があります。
 今は携帯電話が普及しているとの意見も散見します。ですが、細かい押しボタンを高齢者が緊急時に押せるでしょうか?
 報道によると北海道札幌市で知的障害を持つ方とそのお姉さんが餓死した事例がありました。
 先にお姉さんがお亡くなりになり、ついで知的障害を持つ妹さんがお亡くなりになりました。その時残された携帯電話の発信記録はおそらく救急車を要請しようとした痕跡、誤った緊急番号が記録されていました。
 苦しい中、助けを求める声は行政に届かぬままでした。
 携帯電話は緊急時にボタン一つで近隣と消防署に連絡できるシステムにはかないません。
 かつて国は「老人福祉電話」を老人日常生活用具として指定し、長岡京市も電話を持たない高齢者に貸与を行っていました。
 しかし、この事業が廃止されて以降、現在では少数ではありますがもっとも自己の力で危険を回避することのできない高齢者や障がい者が事実上放置されることになっています。
 今後、この事業が廃止された時期と比較してますます独居の高齢者は増えます。
 そして認知症の高齢者も増えることでしょう。とりわけ認知症の高齢者は経済的に多少の余裕があったとしても契約能力のない方は電話の架設契約を行う事はできません。
 このような少数であったとしても行政の支援の必要な方が放置されぬ長岡京市を作る上では福祉電話の復活は急務であろうかと思います。
 電話の架設、基本料金の助成は仮に復活させたとしても僅かな予算措置ですむことです。僅かな予算措置で命を救える可能性が増えるこの事業の廃止して良かったのか、また連絡手段を持たない方への安全を守る施策を早急に考える必要があります。
 地域の高齢化が進み、若い世代はゆとり無く、共稼ぎがあたりまえの時代です。「助け合い」では高齢者を守れません。
 一人も孤独死を生まない長岡京市を作るために議員諸氏に福祉電話の復活を検討いただきますようお願い致します。
 これからもご指導御鞭撻のほどをお願い申し上げます。