成年後見とは?

うちで長らく関わっていて、その後サ高住に入所した認知症のお年寄りがいつのまにか生活圏より遙かに離れた老人保健施設に入所させられていました。

このかたの家族は介護能力は充分ではなく、施設入所を検討する必要性はあるでしょう。

しかし、生活圏から遙かに離れ、公共交通機関では乗り換えも必要かつ、自宅より数時間もかかる施設、しかも介護老人保健施設の本来の役割は家庭復帰。

家庭復帰を目指すのならば地域から離れた施設では支援が困難なです。

家庭環境もリサーチできる距離にない施設で家庭復帰阻害因子を改善することはできません。

この施設がこの人を受け入れたこと自体が、はなから家庭復帰を視野に入れない「偽物」の家庭復帰を目標とした施設であることを示しています。そして生活圏から離れた場所に高齢者をうつすことは家族の関係性をさらに弱める行為です。

つまり施設の側にも後見を担う側にも介護を人間の関係性から切り離す事を問題と思わない歪んだ福祉感があると言えるでしょう。

このような処遇が「権利擁護」をたからかに掲げ、後見を受任するNPO法人により実行されたことに驚きと落胆を感じます。

成年後見とは対象となる方の人権を配慮する、認知症であってもその人の地域、家族との絆を失わないために何をなすのか十分に検討しなければなりません。

生活圏から離れた場所に移した行為だけ見てもこのNPO法人の後見はOUTです。

こうした愚行を「他山の石」として、わたしたちは人権を守る活動を築き上げていきたいと思います。

有田