訪問介護事業での「特定事業所加算Ⅱ」取得のお知らせと取得に至った検討内容をお知らせします

 いつもきょうと福祉倶楽部を利用頂きありがとうございます。
きょうと福祉倶楽部は3月より特定事業所加算Ⅱを算定させて頂く事になりました。
ご利用の皆様には経済的な負担を増やすことになりますが何卒ご理解を賜りますようにお願いいたします。
 わたしたちは2004年より「本当の福祉を作りたい」と介護の切り売りではないトータルな支援を行う事業所として事業を開始致しました。ですので、収益は労働者の地位と待遇向上、専門性のあるサービス提供のための学ぶ機会の保障、そして地域への利益の還元(福祉講演会、映画会、シンポジウムの開催など)に充ててまいりました。
 ところが政府はこの大切ないのちを守る仕事を軽視し、どんどんと基本報酬を下げてきました。
 2000年の制度開始時は身体介護1時間の報酬は402単位(約4020円)
 2015年の身体介護1時間の介護報酬は388単位(約3880円)。
 そこから16年が経過した2022年のいま396単位(約3960円)が国が定めた基本報酬です。(ご利用者さんにはその1~3割の自己負担です)
 制度開始から22年が経過して60円のマイナスです。
 主に家事を担う生活援助にいたっては2000年の介護報酬では認められた時間単位の報酬が現時点では45分以上の支援はすべて事業所の持ち出しというかたちでの大幅に下回る現状です。
 この報酬が働く人の賃金に全部充てられるのではありません。
事務所の維持費、ヘルパーの教育、福利厚生等などをその報酬でまかなうのですから運営が楽なわけはありません。
物価も上昇、人材も枯渇する現場をさらに壊すような報酬でわたしたちは事業の運営を続けてきました。
このたびの加算の取得で身体介護1時間の報酬は436単位(約4360円)になります。これで現行報酬を400円、2000年と比較すると340円上回ることになります。
 22年たってあらたに国が示した基準を満たしてやっとこれだけの報酬改善です。
 みなさんはこの報酬が事業の健全な発展に十分とお考えになりますでしょうか?
 どのような現場にも豊富な知恵と経験を持って果敢に介護の現場に飛び込む有能なスタッフを育て、守るためにこの報酬が十分であるとはわたしたちは思いません。それでも現場の環境を少しでも改善し、地域のみなさんと一緒に介護保障を実現するために少しでも経営状況を改善する事は必要だと判断し、加算の取得を決断致しました。
 日々の暮らしが厳しいなかであらたなご負担をお掛けすることは大変心苦しくはあります。みなさんのそんなお困りごとにもきちんと対応できる実践を目指していきます。