京都府からの訪問介護事業所へのコロナ感染者への派遣打診について

京都府は保健所を通じて訪問介護事業所へコロナ感染者の入院困難な人への人員派遣の許諾の意向を尋ねてきています。
 わたしたちはその申し入れに対して、現状では結論が出せないでいます。

その理由は以下のとおりです。

1.現在、わたしたちの事業所に限らず、人員の確保がままならない中で少ない人員を駆使して次から次への連続訪問が常態化しています。そのなかで陽性患者さんの訪問を行ったなら、次のお宅への訪問ができません。
 わたしたちが守るのはすべての当事務所に信頼を寄せて派遣を求める人たちすべての人です。もちろんともに働く仲間もです。陽性者のいのちを守るためにも活動はしたいと考えますが、他の人の命をないがしろにすることはできません。
2.ヘルパーは医療職ではありませんし、看護補助職でもありません。派遣を求められているにもかかわらず、感染症防護の教育がなされていません。
 1.でも述べたように陽性者へのヘルパー派遣は他の世帯への派遣を困難にします。
 なのに事業所への行政からの経済的支援はまったく考えられていません。
 また、万が一事業所から感染者が出たなら、最悪の場合事業の停止も覚悟しなければなりません。
 その際の利用者へのサービス継続や経済的問題へのバックアップ体制も行政からは示されていません。
 働く人への雇用の保障、利用者のサービス継続が担保されていないのです。
3.最後にコロナワクチンの接種とPCR検査の問題です。
 驚くべき事に訪問介護事業所はワクチンの優先接種も陽性者を訪問することを承諾しなければ認められません。
 ワクチンは接種すればすぐに抗体ができるわけではありません。また、接種が感染を完全に防げることを意味しません。ですから、上述の課題が解消される必要があるのです。
 また、無症状のキャリアが存在する中で、定期的な検査もなく、派遣を受けるとヘルパーを通じた感染拡大も起きうるのです。

 きょうと福祉倶楽部はそういう理由からお示しした判断にたち、現状では派遣意向の打診は保留しています。
 わたしたちはこれらの疑問を行政に示し、感染症対策の前進にむけ、問題提起をしていきたいと考えています。